湯河原「天野屋旅館」文化財登録の決定後に転売
一ヶ月前程のニュースになります。
国登録有形文化財の老舗「天野屋旅館」(湯河原町宮上)を所有する運営会社が、登録が決まって三カ月後の今年六月に同旅館を転売し、保存が危うくなっていることが、十二日までに分かりました。文化庁は「所有者が代わる前例はない」として、国の文化財の登録制度が形骸(けいがい)化することを懸念、各都道府県に対して所有者への保存の意思確認を徹底するよう求めています。
同旅館は、明治初期創業の湯河原温泉の老舗。各地の銘木を多用していることから「銘木旅館」と呼ばれ、箱根の大工によるデザイン的にも凝った秀作とされています。
二〇〇五年四月に閉館後、〇六年三月に「クリスタルゲート」(本社・東京)が購入。ク社は同年十一月、本棟や別棟など建物五件の登録を町を通して県に申請。県は文化庁に意見を上げ、今年三月に登録が決まった模様。
しかしク社は、七月の正式発表を待たずに六月下旬、会員制リゾートホテルなどを経営する「リゾートトラスト」(本社・名古屋)に転売しました。ク社の男性役員は「温泉設備や施設の補修に想定外の資金がかかることが、今年春分かったため」と理由を説明しています。
文化庁担当者は申請を受けて、現地調査で保存再生の意向をク社から聞いたといい、「信頼していたので非常に残念。その上、正式発表前に売るなんて思いもよらなかった」と怒っています。県教委生涯学習文化財課も「移転をもって取り壊しの意味があると受け止めている。ショッキングな出来事だ」と危うくなった旅館保存を案じています。
「対象は都道府県からの意見として紹介されるため、登録の取り下げ手続きはできない」と文化庁。転売で保存前提でなくなっても建物自体は登録され続け、固定資産税減額などの支援措置を受けられることになります。
転売を想定していない登録制度の弱点が露呈した格好だが、現所有者のリ社は所有変更の届け出をしておらず、支援措置は受けていない。
リ社の広報担当者は「現建物をどうするかは検討中」としている。同社は箱根町宮ノ下の老舗旅館「奈良屋」を解体し、会員制リゾートホテルを建設中だ。同担当者は「湯河原温泉の良好なロケーションを生かした施設になるのではないか」と話しています。
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiinov0711280/
テーマ:神奈川│ジャンル:地域情報
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│2007/12/29(土)23:56




